株式会社 シー・シー・デー 「CCDカメラによる外観検査のパイオニア企業」
訪問先 : 株式会社 シー・シー・デー |
第6回のHFA会員企業訪問は、創業30周年を迎えた、業界きってのパイオニア企業 株式会社シー・シー・デーさんに訪問し、西川社長と西川さんにお話を伺いました。 |
HFAメンバでもある西川信一さんの紹介
西川信一さん(以下西川さん)は、戦国武将真田一族の活躍した長野県上田市で、昭和51年12月30日(年の瀬の慌しい時に)に西川家の長男として生まれた。
西川さんは、幼稚園?高校まで八王子市ですくすく育ち、都内神楽坂にある東京理科大学学部(第2部)に進学。その時、親からの自立をはかり一人暮らしを始め、昼はヤマト運輸でアルバイトをしながら勉学に励む青年だった。西川さんは大学2年を過ぎようとした時に大学を辞め、ヤマト運輸に正社員となって働く事を選択する。
そんな人生を歩む西川さんに人生の転機が突然訪れる。
先代社長であり父親である西川信夫さんが、1998年(平成10年)突然の他界。家業である「株式会社 シー・シー・デー」(以下シー・シー・デー)は、現社長であり母親の西川良子さんが引き継ぐ事になった。長男である西川さんは、八王子に戻り母親の力になるべく道を選択する。
しかし、八王子に戻った西川さんはシー・シー・デーで、今の自分には何も出来ない事に気づく。そこで、再度専門知識を身に付けるため、日本工学院専門学校 電子電気科へ入学した。余った時間はシー・シー・デーでアルバイトの時間にあてた。そうして、卒業を機にシー・シー・デーへ正式入社をして現在に至る。
趣味は多彩で、バイク,自転車、そしてカメラ。カメラは新しいもので2台、レトロなものも3?4台所有しているとの事。
エピソードとして、小学生の時から親にカメラをおねだりしていた。中学生になった時、八王子に「ヨドバシカメラ」がやってきた。新装開店した「ヨドバシカメラ」で初めて自分だけのカメラを親からプレゼントされる。余程嬉しかったのか、小学生の様な笑顔で我々に語ってくれた。カメラの腕前はかなりの物で、本「HFA」のサイトにも、西川さん作品が随所に使用されている。まさに、父親のDNAを引き継ぎ、家業の業務に繋がる趣味である。
カメラが好きな西川さん
株式会社シー・シー・デーとは
シー・シー・デーの事業内容は、「CCDカメラによる外観検査のパイオニア企業」とある。
今年の2月に創業30周年を迎えた、業界きってのパイオニア企業である。
まず、最初にお見せ頂き実演までして頂いたのが、下への画像処理装置 PRO-7。
画像処理装置 PRO-7とは、ラインカメラからのデータを二次元画像として入力し、一般のCCDカメラ(NTSC方式)の分解能では満足できない高精細な画像計測が可能な装置。研究用として、またFA用シミュレーションマシンとして、幅広くご利用されている。
その他にも、実機の実演は出来なかったが、外観検査装置 GK?2000や錠剤検査装置などの説明等をして頂いた。
検査装置の準備をする西川さん |
穴の大きさごとに結果を表示する |
写真下は、展示会で実演していた錠剤検査装置。外観検査装置GK-2000。
ベルトコンベア上を並列に流れる錠剤の表裏の画像をラインカメラで入力、パソコンで画像処理を行い、表面の汚れ・異物・割れ等の外観不良を検査できる。オプションで側面の外観検査できる。不良を検知すると信号を出力し、不良品を排除、画像・データを保存できる。錠剤をベルトコンベアで運ぶ為、検査による錠剤の破壊が少なく、目視検査ラインへの組み込みが容易。
簡単に説明すると、今まで人の目で検査し、頭で良否の判断をして、人の手で仕分け作業していた作業を、ラインカメラの目で確認、パソコンで良否の判断をして、FA装置で仕分け作業すると言った様なすばらしい装置の開発設計、製造,販売をしている会社である。
今後の事業展開について
代表取締役で母親でもある西川良子社長にも御参加頂き、西川さんにシー・シー・デーにおける今後の事業展開についてお話を伺った。
CCDカメラ(ラインセンサ)による外観検査装置のニーズは、今後も増え続けるであろう。その時代のニーズに取り残されず、さらに新しい技術開発に努め、業界しいては、日本を豊かにする為に、努力を続けて行きたいと力強く語って頂いた。昨今の世界的な不景気によるコストダウン要望も増えている。
3.11の震災やタイの洪水などで、部品入手に困った時もあった。製品が完成しているのに、客先に納入できず売上げが先延ばしになった事もあった。
30年くらい前は、ニッチな産業だが業界の先端を走り続けてきたつもりであるが、計測装置業界大手のCCDカメラによる検査装置への参入など、周りの環境も変化してきている。
しかし大手企業にはできない細かなサービス・保守ができる事が、我々中小企業の強み。厳しい側面もあるが、最新の技術製品を提供し続けていく事で対応していきたいと考えている。
社長は自分が元気でいる間にシー・シー・デーの技術力、魅力の向上にもっと努力をして欲しいと考えている。
◇◇◇ 編集後記 ◇◇◇
今回は、私、小川と今井記者、若林記者、坂本記者の4人での訪問でした。
「株式会社 シー・シー・デー」の事業は、今後も多くのニーズが期待され、応用如何によっては、多種多様な事に利用されていく可能性を秘めた事業であると感じました。
西川社長率いるシー・シー・デーが、西川さんに承継された時、どの様な企業になっているのか?限りなく近い未来に起こる事に期待が膨らみます。
親子だからこそ真剣に取り組むその姿は自社を愛する所以だと感じました。
今回の訪問は、社員を含め真剣に事業に取組む企業を訪問できたと思う。(ちょっと羨ましい。)記者4名、とっても貴重な体験をさせて頂きました。
西川社長,西川さん、そして「株式会社 シー・シー・デー」社員の皆さん、御忙しい最中での企業訪問の受け入れ、有難う御座いました。